株式会社フジヤマ工業
福田 一貴 氏

Placeholder

誰が育つかを見極めることより、
きちんと育った姿を見ることがうれしい

2025.07.31

#VOL.07 #受入事例 ベトナムインドネシア埼玉県

代表取締役
福田 一貴

株式会社フジヤマ工業の福田社長は、受け入れるなかで「誰が育つか」より「どのように育ったか」に喜びを見出すと話します。能力よりも仕事に真剣に取り組む姿勢こそが大切だと語る福田社長に、受入れや育成に対する考え方について伺いました。

「言葉の壁」は、意外と小さなもの

外国人を受け入れるうえで、難しさを感じることはありますか?

 外国人と働く難しさで、よく言われるのが「言葉の壁」です。しかし、私はそれほど感じていません。「やってみせて、それを真似してもらう」という、実践を通して教えるのが基本なので、それほど問題ではないと思っています。それに、仕事に対して「必死さ」があるので、言葉が通じなくても伝えたいことが伝わるんです。

外国人と日本人の若手社員を比較して、違いを感じることはありますか?

 特にはありません。今、当社で働いている外国人で言うと、器用で仕事をすぐに覚えるタイプもいれば、不器用でも寝坊もせず真面目なタイプもいます。私から見ると対照的ですが、どちらも仕事には真剣です。そう考えると、日本の若い方と別段変わらないと思います。

要望を「聞くこと」から始める

日々の指導で意識していることはありますか?

 日本人の先輩たちにかわいがってもらえるように、服装や身だしなみについてアドバイスしています。まだ若いし、国民性も異なるからか、いわゆる“雑”な部分がある人もいます。でも、それは外国人に限った話ではなく、日本人の若者でも同じようなことはあります。その部分でも「外国人だから」と特別扱いせず、指摘はしています。

外国人からの要望について、どのように対応していますか?

 応えられるものは応えますし、難しいことは難しいと伝えます。でも、彼らにとっては、要望を言うこと自体に意味があるようです。自分の気持ちや意見を伝えることが大切なんだと。そのため、受け入れるかどうかは別として、まずはきちんと話を「聞く」ことを心がけています。その姿勢が信頼につながると思います。

受入れを続けるなかで、印象に残っていることはありますか?

 以前、他社で保護が必要な状況にあった外国人を紹介されたことがありました。どうやら差別を受けていたようで、組合から「そちらで働かせてもらえないか」と相談があり、引き受けました。結果的にその人はうちに来てから急成長して、今では立派な戦力です。そういう姿を見ると、受入れてよかったと心から思えます。

ウサギ型よりカメ型に期待したい

採用時に見るポイントはありますか?

 私はこの仕事を20歳からやっていて、もう30年以上になります。人をたくさん見てきましたが、正直、短い面接の時間で何かを判断するのは無理だと思っているんです。だから、基本的には来てくれた人は受け入れるという方針です。とはいえ、採用後に仕事への集中力が続かず、教えたこともなかなか覚えないで育てるのに苦労した、といったこともあります。

それでも、スタンスは変えない、と?

 そういう人が急に変わる可能性もあるんです。ウサギ型よりカメ型のほうが伸びるかもしれないですから。やはり、仕事のスキルも大事だけど、一緒に働く以上は、信頼関係が何より大切。人を「選ぶ」よりもきちんと「育てる」。それが私のスタンスです。

(2024年11月7日取材)

掲載号

Visionista/VOL.072025|summer

詳細へ